電子カルテの普及率|診療所は55.0%(令和5年)・72.6%(2026年6月)の違いと数え方【2026年】

要点
診療所の電子カルテ普及率は、厚生労働省の医療施設調査(令和5年)では一般診療所の55.0%(57,662/104,894施設)です。より新しい社会保険診療報酬支払基金のアンケート(2026年6月5日〜10日)では、回答した医科診療所の72.6%(51,985施設)が導入済みで、19.3%(13,844施設)が「導入予定なし」と答えています。どちらも厚生労働省の電子カルテ普及計画(2026年9月9日)に載っている数字です。
2つの数字の違い
55.0%と72.6%は、調査の時期・方法・分母が違うため、そのまま比べられません。
| 項目 | 医療施設調査 | 支払基金アンケート |
|---|---|---|
| 実施 | 厚生労働省(3年に1度) | 社会保険診療報酬支払基金(医療情報基盤・診療報酬審査支払機構)が実施し、厚生労働省が集計 |
| 時点 | 令和5年 | 2026年6月5日〜10日 |
| 対象 | 一般診療所(歯科医業のみの診療所を除く) | 医科診療所 |
| 導入率 | 55.0%(57,662/104,894) | 72.6%(51,985/71,616) |
| 分母 | 一般診療所の数 | アンケートで導入状況を答えた医科診療所の数 |
- 55.0%一般診療所医療施設調査・令和5年
- 72.6%医科診療所支払基金アンケート・2026年6月
- 19.3%導入予定なし同アンケート・医科診療所
支払基金のアンケートでは、導入状況を答えなかった医科診療所が3,962施設あります。これを未導入に含めて計算すると、導入済みの割合は68.8%になります(普及計画の表の<>の数字)。
医科診療所の導入予定の内訳
支払基金のアンケートで未導入と答えた医科診療所は19,631施設(27.4%)で、そのうち導入の予定は次のとおりです。
| 回答 | 施設数 | 割合 |
|---|---|---|
| 今年度中に導入 | 1,236 | 1.7% |
| 来年度中に導入 | 847 | 1.2% |
| 再来年度以降に導入 | 3,704 | 5.2% |
| 導入予定なし | 13,844 | 19.3% |
割合は、導入状況を答えた医科診療所71,616施設に対するものです。
医療施設調査で見る推移
医療施設調査では、一般診療所の導入率は平成20年の14.7%から令和5年の55.0%まで上がっています。
| 年 | 一般診療所 | 一般病院 |
|---|---|---|
| 平成20年 | 14.7% | 14.2% |
| 平成23年 | 21.2% | 21.9% |
| 平成26年 | 35.0% | 34.2% |
| 平成29年 | 41.6% | 46.7% |
| 令和2年 | 49.9% | 57.2% |
| 令和5年 | 55.0% | 65.6% |
平成23年は、宮城県の石巻医療圏・気仙沼医療圏と福島県の全域を除いた数値です。
導入していない診療所の理由
日本医師会が紙カルテを使っている診療所に行った調査(2025年4月18日〜6月1日、有効回答5,466件)では、54.2%が「導入不可能」と答えています。普及計画に載っている要約では、導入できない理由として、ITに不慣れ(電子カルテの操作に時間がかかる)、導入費用が高額、導入しても数年しか使う見込みがない、といった回答が多いとされています。「導入不可能」と答える割合は、高齢者ほど高いとされています。
国の目標と、これからの数え方
国は、2030年末(令和12年12月31日)までに電子カルテの普及率を約100%にすることを法律の目標にしています(医療介護総合確保法 第12条の3第4項。条文の中身は 「2030年に普及率約100%」は義務化かを説明した記事)。医療情報化推進方針では、目標を「必要な患者の医療情報の共有が可能な電子カルテの普及率約100%」と書いています。
普及計画の推計は、医科診療所の母数を「オンライン資格確認を導入(運用開始)している医科診療所数」の83,000施設とし、足元の導入施設数を、この母数に支払基金アンケートの導入率を掛けて出しています。アンケートで導入状況を答えなかった施設は、未導入として扱っています。
- オン資導入の診療所83,000施設
- 掛ける
- アンケートの導入率2026年6月
- 出す
- 足元の導入施設数未回答は未導入扱い
これから導入する診療所向けに、国は認証制度を準備しており、認証製品の導入の補助は令和9年度の概算要求に入っています。認証制度と各製品の対応状況は /ninsho、製品の比較は 電子カルテの比較、開業を準備している医師向けの情報は 開業準備のページ にまとめています。
よくある質問
診療所の電子カルテ普及率は結局何%ですか
公的な統計の最新値は、医療施設調査(令和5年)の一般診療所55.0%です。より新しい数字として、支払基金のアンケート(2026年6月)では回答した医科診療所の72.6%が導入済みで、未回答の施設を未導入に含めると68.8%です。
次の医療施設調査はいつですか
医療施設調査は3年に1度行われる調査です(普及計画の記載)。令和5年の次の調査の結果の公表時期は、2026年10月時点の資料では確認できていません。
歯科診療所や病院の普及率は
支払基金のアンケート(2026年6月)では、歯科診療所の導入済みは41.5%、20〜199床の病院は73.5%、200〜399床は86.0%、400床以上は94.4%です。医療施設調査(令和5年)では一般病院が65.6%です。
電子カルテ普及率の数字はどこで公表されていますか
この記事の数字は、厚生労働省が2026年9月9日に公表した電子カルテ普及計画に載っているものです。2026年9月11日に、28ページと50ページの合計値の端数を一部修正しています。
出典
- 厚生労働省「電子カルテ普及計画」(2026年9月9日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001748251.pdf - 厚生労働省「電子カルテ普及計画」公表ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76122.html - 厚生労働省「医療情報化推進方針」(令和8年厚生労働省告示第370号)
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001756943.pdf
制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月11日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。



