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オンライン診療受診施設とは|設置届・要件・診療所との違い【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

オンライン診療受診施設は、設置者が業として、オンライン診療をする病院・診療所などに対して、患者がオンライン診療を受ける場所として提供する施設です。令和8年4月1日施行の改正医療法で設けられ、設置者は設置後10日以内に所在地の都道府県知事等へ届け出ます(違反は20万円以下の罰金の対象)。これまでオンライン診療をしていた病院・診療所・居宅等は改めて届け出る必要はなく、診療所の側では、患者が受診施設にいるときに施設が基準に合っているかを確かめることが求められます(2026年10月時点で公表されている厚生労働省の通知・Q&Aによる)。

オンライン診療受診施設とは

オンライン診療受診施設は、医療法第2条の2第2項で定められた、患者がオンライン診療を受ける「場所」です。設置者が、業として、オンライン診療をする医師・歯科医師の勤務する病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院に対して、その場所を提供します。

  • 医療法の「診療所」の定義からは、オンライン診療受診施設であるものが除かれています(第1条の5第2項)
  • 厚生労働省の施行通知(医政発0327第5号)は、へき地などで、住民に身近な郵便局や公民館などを使って設置されることが期待されるとしています
  • 受診施設は自ら医療を提供するものではありません。診療の内容は、オンライン診療をする医師と、その医師が勤務する医療機関の責任のもとで行われます

オンライン診療の医療法改正の全体(開設届の変更・管理者の措置・立入検査など)は、オンライン診療の医療法改正2026の記事で整理しています。

関係オンライン診療受診施設を使うときの関係
  1. 患者受診施設で受ける
  2. 映像と音声
  3. 医療機関医師が診療する
  4. 協定・契約
  5. 受診施設の設置者場所を提供する
  6. 設置届
  7. 都道府県等設置後10日以内に届出

診療所は受診施設の届出をする必要があるか

これまでオンライン診療をしていた病院・診療所・居宅等は、改めてオンライン診療受診施設の届出をする必要はありません。厚生労働省の「オンライン診療に関するQ&A」(令和8年3月)の問9がそう答えています。

届出が必要になるのは、施設の設置者が、業として、その施設を医療機関に対して患者の受診場所として提供する場合です(Q&A問8)。そのため、診療所の院長が判断することは次の2つに分かれます。

場面受診施設の届出根拠
自院の診療所から、居宅などにいる患者にオンライン診療をする要らないQ&A問9
患者が、職場・公民館など他者が設置した受診施設で受ける診療所は要らない(設置者が届け出る)医療法第8条第2項
医療法人として受診施設を自ら設置する要る(法人が設置者として届け出る)医療法第8条第2項・Q&A問17
  • 医療法人による受診施設の設置は附帯業務に当たるため、定款変更の手続きが必要です。医療法人の医療機関で働く医師がオンライン診療をすること自体は本来業務なので、定款変更は要りません(Q&A問17)
  • 自院の診察室を受診施設として届け出て、診察室の衛生環境の保持などの医療法上の要請を免れるような運用は認められないとされています(Q&A問7)
  • 受診施設の届出とは別に、診療所の開設届には「その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療を行うときはその旨」が加わりました。経過措置を含めた扱いは医療法改正の記事で説明しています

自院の患者が受診施設で受けるときに変わること

患者が受診施設にいるとき、診療所の管理者は、その施設がオンライン診療基準に合っているかを確かめ、確かめられなければオンライン診療を中止するなどの措置をとります。医療法施行規則第9条の6の20第2項に定められています。

  • 確かめる事項は、受診施設が「清潔かつ安全」で「物理的に外部から隔離された空間」であることと、オンライン診療に使うシステムの情報セキュリティの確保などの措置がとられていることです(同規則第9条の6の21第2項)
  • 施行通知は、受診施設が記入した「(オンライン診療受診施設向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト」で適合状況を確かめられるとしています
  • 医師の側は、患者のいる場所が協定・契約を結んだ受診施設であることを確かめれば足り、その施設を診療録に記録するなど適切な方法で記録することが望ましいとされています(施行通知・Q&A問5)
  • 医師の氏名の提示や、病院・診療所とその問合せ先の明示などは、患者が事後に確かめられる方法で行います(同規則第9条の6の18)
  • 受診施設で医師が対面診療をすること(D to P with D を含む)や、入院させることはできません(Q&A問13)
  • 同じ医療機関などに勤務する看護師等が受診施設に赴いて、診療の補助(D to P with N)をすることはできます(Q&A問30)。ただし受診施設での診療の補助については、国が今後検討し、必要な留意事項を周知していくとしています(Q&A問31・施行通知)

責任の分け方について、Q&A問14は、場所に起因する問題は施設の設置者(管理・運営責任者)が、オンライン診療の内容は医師・医療機関の管理者が負うのが基本としています。施設の運営経費は、施設が医療機関に支払いを求める形や、患者に求める形など、様々な形態が想定され、他の費用と区分して請求することが望ましいとされています(Q&A問27)。患者は受診施設を通じて、医療機関へ一部負担金などの診療の対価を払うこともできます(Q&A問28)。

受診施設での資格確認は、居宅と同じくマイナ保険証の居宅同意取得型が使えます。施設が用意した端末を使う場合も、患者は医療機関が発行したURLなどからアクセスします(Q&A問26)。手順は居宅同意取得型の記事にまとめています。初診で処方できない薬などの制限はオンライン診療の初診と処方の記事で扱っています。

設置者が届け出ることと期限

受診施設の設置者は、設置後10日以内に、所在地の都道府県知事等(保健所設置市・特別区では市長・区長)に届け出ます(医療法第8条第2項)。Q&A問20は、業として患者の受診場所として提供できる状態にした時点を「設置」としています。

手順受診施設の設置から公表まで(施行通知・Q&A)
  1. 提供できる状態にするこの時点が「設置」
  2. 10日以内に設置届を出す様式例1・都道府県知事等へ
  3. チェックリストを提出する設置後1か月以内が目途
  4. 基準への適合を公表するウェブサイトへの掲載など

設置届の届出事項は、医療法施行規則第5条の2で7つと定められています。

  • 設置者の住所・氏名(法人は名称と主たる事務所の所在地)
  • 名称
  • 設置の場所
  • 敷地の面積と平面図
  • 建物の構造概要と平面図
  • 設置者が法人のときは、定款・寄附行為または条例
  • 設置の年月日

届出の後の手続きも、期限はすべて10日以内です。厚生労働省は標準の様式例を示しています。

届け出る場面期限根拠様式例
設置したとき設置後10日以内医療法第8条第2項様式例1 設置届出書
届け出た事項が変わったとき10日以内医療法施行令第4条第4項(施行通知に例示なし)
休止・再開したとき10日以内医療法第8条の2第2項様式例2 休止・再開届出書
廃止したとき10日以内医療法第9条第1項様式例3 廃止届出書
設置者が死亡・失踪の宣告を受けたとき10日以内(戸籍法の届出義務者が届け出る)医療法第9条第2項様式例4 設置者死亡・失踪届出書
  • これらの届出に違反した者は、20万円以下の罰金の対象です(施行通知。医療法第89条第1号)
  • 正当な理由なく、受診施設を1年を超えて休止してはなりません(医療法第8条の2第1項)
  • 届出のときに、連携する医療機関の名称を申告する必要はありません。ただし、チェックリストで医療機関の名称等を公表することが遵守事項とされています(Q&A問21)
  • 車両も受診施設として届け出られます。設置の場所には日常的に駐車している場所と巡回予定地区を書き、建物の構造概要の欄には車種・車名・車両番号を書きます(様式例1の備考・Q&A問23)

設置者の要件と施設の基準

受診施設は個人でも法人でも設置でき、設置者が医療従事者であることなどの要件はありません。施行通知がそう明記しています。

  • 設置者や法人が定めた管理・運営責任者は、施設に常駐・専任である必要はありません。ただし、通信機器の不具合や患者の急変時などに、患者・医師・医療機関・都道府県等が連絡できる連絡先を示し、速やかに対応できる体制が求められます
  • 設置者が法人のときは、施設の管理・運営責任者を置きます(医療法施行規則第9条の6の17第2項)
  • 設置者は、施設を清潔・安全で外部から隔離された場所にするための措置と、システムの情報セキュリティの確保などの措置をとります(同条第1項)
  • 届出を受けた都道府県知事等は実地検査をしなくてよいとされる一方、都道府県知事等は受診施設に報告徴収・立入検査・是正命令などができ、立入検査は随時実施することが想定されています(施行通知)
  • 受診施設は健康増進法の第一種施設とされ、敷地内禁煙の対象です(施行通知)

受診施設と「オンライン診療のための診療所」の違い

オンライン診療を受けられる点だけを見ると、両者の機能に大きな違いはないとQ&A問33は答えています。違いは、管理者の要否と、その場所で対面診療ができるかです。

比較受診施設と「オンライン診療のための診療所」(Q&A問33)

受診施設

診療所の開設は不要

  • 医師と勤務先の医療機関の責任で診療
  • 設置後10日以内に設置届
  • 対面診療・入院はできない

オンライン診療用の診療所

診療所として開設

  • 確保した管理者の監督のもとで診療
  • 診療所の開設の手続きが要る

施行通知によると、改正前は、公衆または特定多数人の患者にオンライン診療をする場合、患者が受ける場所に診療所などを開設し、その管理者の監督のもとで行う必要がありました。施行後は、その場所が受診施設で、医師がそこでオンライン診療だけを行う場合は、診療所を開設しなくてよくなりました。

受診施設と医療広告

受診施設は医療を提供するものではないため、そのことを患者が理解できる方法で明示したうえで、限られた事項だけを広告できます(医療法第6条の7の2・医療法施行規則第1条の10の2)。

広告する主体広告できる主な内容根拠
受診施設名称・電話番号・所在地・設置者の氏名、施設・設備・従業者、営業日・営業時間・予約の有無、基準に沿ってとる措置など医療法施行規則第1条の10の2
診療所勤務する医師が受診施設を使ってオンライン診療をする旨と、そのオンライン診療の内容医療法第6条の5第3項第15号
  • 医療広告ガイドラインは、診療所の広告の例として「当医療機関のA医師は毎週月曜日に、○○オンライン診療受診施設にてオンライン診療を実施しています。」を挙げています
  • 医療機関が主体となって受診施設について広告する場合は、その医療機関が広告規制の対象になります(医療広告ガイドライン)
  • 受診施設の設置者が、入居する建物の別サービス(介護・スポーツジムなど)の集客のために、すべての利用者が特定の治療を受けられるかのように誤認させる広告は虚偽広告に当たり、虚偽でなくても不当な期待感を与える広告は誇大広告として認められないとされています(Q&A問19)
  • 受診施設でないものが「オンライン診療受診施設」やそれに紛らわしい名称を付けることは禁止され、違反は20万円以下の罰金の対象です(医療法第3条第4項・第89条第1号)
  • 広告の中止・是正命令に違反した者は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(医療法第87条第3号)

診療所のWebサイトで避けたい表現は医療広告ガイドラインのNG表現の記事で整理しています。オンライン診療に対応した電子カルテは電子カルテの比較で、無床診療所に合う製品は無床診療所のページで見られます。

よくある質問

1つの受診施設で複数の医療機関がオンライン診療をできますか

できます。Q&A問12は、1つの受診施設で複数の医療機関がオンライン診療を行うことは可能としています。受診施設は、チェックリストでオンライン診療を提供する医療機関の名称等を公表することが遵守事項とされています。

受診施設の部屋を、空いている時間に別の用途で使えますか

使えます。Q&A問10は、営業日・営業時間と重ならないようにするなど、患者が利用しないことが明らかな場合は、別の用途で使ってよいとしています。受診施設として運用している時間帯は、清潔・安全、プライバシーの保護、セキュリティの基準を満たす必要があります。

薬局の中に受診施設を置けますか

医療法上、薬局が受診施設を設置すること自体は可能です。ただしQ&A問18によると、保険薬局の中に設置することは、無医地区・準無医地区にある保険薬局を除いて、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則で認められていません。

受診施設に血圧計などの医療機器を置けますか

置けます。Q&A問25は、医療機器を買える者は薬機法上限られていないため、設置者が医療機器販売業の許可を受けた者などから買い、受診施設に置くことは可能としています。患者や医療機関に使わせる場合の手続きは、都道府県等が個別に判断するとされています。

出典

  1. 厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)」(医政発0327第5号、令和8年3月27日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001681277.pdf
  2. 厚生労働省「オンライン診療に関するQ&A」(令和8年3月作成)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001681026.pdf
  3. 厚生労働省「オンライン診療受診施設に係る届出の標準様式(様式例1〜4)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001681007.pdf
  4. e-Gov法令検索「医療法」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
  5. e-Gov法令検索「医療法施行規則」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100050
  6. 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001683594.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月14日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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