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オンライン診療の初診で処方できない薬|麻薬・向精神薬と8日分以上の制限【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

オンライン診療の初診で処方できない薬は、麻薬・向精神薬、基礎疾患等の情報が把握できていない患者への特に安全上の管理が必要な医薬品、その患者(基礎疾患等の情報が把握できていない患者)への8日分以上の医薬品の3つです。令和8年4月1日からは、これまでの指針に加えて医療法施行規則第9条の6の13第3項に定められ、「初診でない場合であって、その症状等について対面診療を経ている場合」以外はこの3つの処方ができません。厚生労働省の疑義解釈(令和8年4月21日)は、初診をオンラインで行い再診もオンラインで行った場合も、向精神薬は処方できないとしています(2026年10月時点)。

オンライン診療で処方が禁じられている3つ

医療法施行規則第9条の6の13第3項は、オンライン診療で次の3つの処方を禁じています。2つ目と3つ目は、基礎疾患等の情報が把握できていない患者に限った制限です。

施行規則の文言対象の患者指針・Q&Aでの補足
1麻薬及び向精神薬取締法に規定する麻薬・向精神薬の処方すべての患者濫用・転売のリスクを、限られた時間の音声と映像では十分に抑えられないため(Q&A A20)
2特に安全上の管理が必要な医薬品の処方基礎疾患等の情報が把握できていない患者指針は「診療報酬における薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤」と書いている
38日分以上の医薬品の処方2と同じ患者処方日数は7日間を上限としている(Q&A A23)

指針(令和8年4月改訂)の「薬剤処方・管理」の項も、同じ3つを「初診の場合には以下の処方は行わないこと」として挙げています。指針は、令和8年4月に施行された改正医療法でオンライン診療の総体的な規定が新設されたことをふまえて改訂されたと説明しています。改正医療法の全体はオンライン診療の医療法改正の記事にまとめています。

数字オンライン診療の処方制限(施行規則・指針・Q&A)
  • 3つ処方が禁じられるもの施行規則 第9条の6の13第3項
  • 7日間処方日数の上限初診で基礎疾患等を把握できていない患者(Q&A A23)
  • 4月1日施行規則の改正令和8年

「初診でない場合であって対面診療を経ている場合を除いて」の読み方

この制限から外れるのは、「初診でない」と「その症状等について対面診療を経ている」の両方を満たすときだけです。施行規則の条文は「初診でない場合であつてその症状等について対面診療を経ている場合を除いては、次に掲げる処方を行つてはならない」となっており、どちらか一方だけでは除外にあたりません。そのうえで、2つ目と3つ目は、基礎疾患等の情報が把握できていない患者だけが対象です。

比較処方の制限がかかるか(施行規則 第9条の6の13第3項)

初診・対面を経ていない

麻薬・向精神薬は処方できない

  • 基礎疾患等が把握できていない患者には、安全管理が必要な医薬品と8日分以上もできない
  • オンラインでの初診
  • 新たな症状等への診察(初診に含まれる)
  • 初診も再診もオンラインだけで続けた場合

初診でなく対面を経た後

第3項の制限の対象外

  • その症状等について対面診療を経ている
  • 処方の可否は医師が判断する

ここでいう「初診」は、診療報酬の初診料とは別の考え方です。

  • 施行規則第9条の6の4第2項は、初診を「診察の中で、医師又は歯科医師が患者の新たな症状等(既に診断されている疾患から予測された症状等を除く。)について診察を行うこと」と定め、第9条の6の13第3項もこの定義を使います
  • 指針のQ&A(A4)は、指針上の「初診」には、継続して診療している患者でも、新たな症状等への診察や、治癒や長期間の中断のあとに同じ疾患を改めて診察する場合も含むとしています
  • 同じA4は、指針の「初診」と、診療報酬で初診料を算定する場合とは必ずしも一致しないとしています

オンライン初診のあとの再診でも、向精神薬は処方できない

初診をオンライン診療で行い、2回目以降もオンライン診療で行った患者には、向精神薬は処方できません。厚生労働省の疑義解釈(その4 問16、令和8年4月21日)は、この場合に向精神薬を処方できるかという問に「不可」と答え、根拠に施行規則第9条の6の13第3項を挙げています。

指針のQ&A(A21)も、指針で初診の場合に処方しないとしている医薬品は、初診も再診もオンライン診療で行った患者に処方するときは「初診と同等に取扱うことが妥当」としています。再診の回数を重ねても、その症状等について対面診療を経ていなければ、制限は外れません。

「基礎疾患等の情報が把握できていない患者」の判断材料

基礎疾患等の情報は、過去の診療録・診療情報提供書・お薬手帳・PHRなどで確かめます。指針のQ&A(A19)は、既往歴・服薬歴・アレルギー歴などと、患者の症状とあわせて処方に必要な医学的情報を、これらで確認して把握する必要があるとしています。

ただし、Q&A(A21)は、ここでいう「過去の診療録」に、初診も再診もすべてオンライン診療で行った場合の診療録は含まないとしています。オンライン診療だけでやりとりしてきた記録は、この判断材料になりません。

処方できる薬でも求められること

3つの制限にあたらない薬でも、施行規則と指針はオンライン診療での処方に次のことを求めています。

  • 施行規則第9条の6の13第1項: オンライン診療をするときは、患者が服薬している医薬品を確かめなければならない
  • 同第2項: 服用に特段の配慮が必要な医薬品を処方するときは、必要な知識と技能を身につけたうえで、患者の心身の安全と健康のために必要な対応をする
  • 指針: 初診からのオンライン診療と、新たな疾患に処方するときは、一般社団法人日本医学会連合の「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」などの関係学会のガイドラインを参考にする
  • 指針: 処方は、医師が自ら内容を確かめるとともに、薬剤師による処方のチェックを経ることを基本とする
  • 指針: 医薬品の転売や不適正使用が疑われる場合に、対面診療で必要性を確かめずにオンライン診療だけで処方することを、不適切な例として挙げている

診療報酬の施設基準での向精神薬の扱い

令和8年度診療報酬改定の情報通信機器を用いた診療の施設基準にも、向精神薬に関わる要件が2つあります。エの(イ)は、情報通信機器を用いた診療の初診で向精神薬を処方しないことをウェブサイトに掲示すること、カは、向精神薬を処方するときに電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェックを使うことです。

カにはただし書きがあり、施設基準の通知(保医発0305第7号)のカと改定の資料(16.経過措置)では、電子処方箋システムを入れていない場合は令和10年5月31日まで、オンライン資格確認等システムか、医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークで薬剤情報を確かめれば要件にあたるとみなすとしています。施設基準ア〜カの全体は診療報酬改定2026の医療DX・オンライン診療の記事に、重複投薬等チェックの手順は電子処方箋の運用の記事にまとめています。

電子カルテ全体は電子カルテの比較で、無床診療所の方は無床診療所のページで見られます。電子処方箋への対応を公式に明記している電子カルテは次のとおりです。

  1. 1

    MAPs for CLINIC4.5/5

    株式会社EMシステムズ・電子カルテ

    ¥20,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋整形外科・耳鼻咽喉科・小児科ほか2

    レセコン機能を一体で持つ診療所向けのクラウド電子カルテで、ORCAとの連携も選べる。初期ライセンスは無料の月額制で、Web予約・問診やレセプトチェックの機能を含む。

  2. 2

    Medicom クラウドカルテ4.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    ¥24,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    ウィーメックスのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。Basicプランは初期費用と月額を公式に示しており、Premiumプランは見積りとなる。

  3. 3

    エムスリーデジカル4.5/5

    エムスリーデジカル株式会社・電子カルテ

    ¥11,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    クラウド型の電子カルテで、レセコン一体型プランとORCA連動型プランから選べる。ブラウザで動作し、電子処方箋に対応している。

  4. 4

    CLIUS(クリアス)4.0/5

    株式会社DONUTS・電子カルテ

    ¥12,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋小児科・在宅医療

    DONUTSのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコンにはWEB ORCAを使う。導入作業込みの通常プランと、自分で設定するDirectプランがあり、歯科・鍼灸院・接骨院は対象外。

  5. 5

    CLINICSカルテ3.5/5

    株式会社メドレー・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド電子処方箋

    自社開発のレセプト機能と一体になった診療所向けのクラウド電子カルテ。Web予約・問診、自動精算機、検査会社などと連携し、iPadでの手書き記録にも対応する。

編集部スコア順(2026年10月14日時点)。当てはまる13本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる13本をすべて見る

よくある質問

初診料を算定しない再診なら、オンラインで向精神薬を処方できますか

初診料を算定するかどうかでは決まりません。指針のQ&Aは、指針の「初診」と初診料を算定する場合は必ずしも一致しないとしています。施行規則では、初診でなく、かつその症状等について対面診療を経ている場合でなければ、オンライン診療で向精神薬は処方できません。

患者が自宅以外の場所で受診する場合も、同じ制限がかかりますか

施行規則第9条の6の13第3項は、オンライン診療を行う場合の決まりとして定められており、条文上は患者がどこで受けるかで分けていません。患者が受診する施設の届出などはオンライン診療受診施設の記事にまとめています。

オンライン受診勧奨なら、処方の制限はかかりませんか

オンライン受診勧奨では処方そのものができません。施行規則第9条の6の19は、受診の勧奨のみを行う場合に第9条の6の13などを適用しないとしていますが、処方等を行う場合はその対象から除いています。指針も、処方などはオンライン診療に分類されるため、オンライン受診勧奨で行ってはならないとしています。

基礎疾患等の情報が把握できていれば、8日分以上を処方できますか

施行規則の8日分以上の制限は、基礎疾患等の情報が把握できていない患者が対象です。把握できているかは、過去の診療録・診療情報提供書・お薬手帳・PHRなどで確かめます。ただし、オンライン診療だけで続けてきた診療録は、この「過去の診療録」に含まれません。麻薬・向精神薬の制限は、基礎疾患等の情報の有無にかかわらずかかります。

出典

  1. e-Gov法令検索「医療法施行規則」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100050
  2. 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001685701.pdf
  3. 厚生労働省「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A」(令和8年4月改訂)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001686805.pdf
  4. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その4)」(令和8年4月21日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001694332.pdf
  5. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 16.経過措置」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001728940.pdf
  6. 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757361.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月14日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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