更新情報10/7(水)

診療報酬改定2026の診療所への影響|医療DX・オンライン診療まわりの変更点【令和8年度】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

令和8年度診療報酬改定は、令和8年6月1日に施行された診療報酬の見直しで、診療報酬本体は令和8年度・9年度の2年度平均で+3.09%(令和8年度は+2.41%)です。診療所に関わる医療DXの変更では、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止されて電子的診療情報連携体制整備加算(初診15点・9点・4点、再診2点)が新設され、オンライン診療では施設基準に、チェックリストのウェブサイト掲示と医療広告ガイドラインの遵守などが加わりました(2026年10月時点で公表されている厚生労働省の資料による)。

改定の全体:施行日と改定率

厚生労働省の改定の資料(医科全体版)では、改定率と施行日を次のように示しています。

数字令和8年度診療報酬改定(厚生労働省の資料)
  • +3.09%診療報酬本体令和8・9年度の2年度平均
  • +2.41%令和8年度令和9年度は+3.77%
  • 6月1日施行令和8年
  • ▲0.86%薬価令和8年4月施行

基本診療料では、初診料は291点のまま据え置かれ、再診料は75点から76点に上がりました。資料は、物価高騰による物件費負担の増加や継続的な賃上げへの評価を理由に挙げています。

項目改定前改定後
初診料291点291点
再診料75点76点

医療DX:電子的診療情報連携体制整備加算の新設

医療DXの評価は、旧加算2つの廃止と新しい加算の新設に組み替えられました。

改定前改定後
初診医療DX推進体制整備加算1〜6(12点〜8点)、医療情報取得加算(1点)電子的診療情報連携体制整備加算1・2・3(15点・9点・4点)
再診医療情報取得加算(1点・3月に1回)電子的診療情報連携体制整備加算(2点)

新しい加算は初診・再診とも月1回です。施設基準には、オンライン請求・オンライン資格確認・マイナ保険証利用率30%以上などのほか、加算1・2を分ける電子処方箋・電子カルテ・情報共有の体制が入っています。区分ごとの施設基準は電子的診療情報連携体制整備加算とはに、旧加算との違いは医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の廃止にまとめています。

新設の加算なので、旧加算を届け出ていた医療機関も改めて届け出る必要があります。施設基準の通知は、電子的診療情報連携体制整備加算を「新設された又は施設基準が創設された」もの(表1)に入れ、令和8年6月1日以降の算定には届出が必要としています。

施設基準の電子カルテの要件の1つに「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」がありますが、認証制度は、疑義解釈(その6 問1)で検討中とされ、まだ示されていません。制度の状況は電子カルテの認証制度と各製品の対応状況に、製品の比較は電子カルテの比較にまとめています。

電子処方箋:遠隔電子処方箋活用加算の新設

オンライン診療で電子処方箋を使った場合の評価として、遠隔電子処方箋活用加算(10点・月1回)が新設されました。改定の資料では、情報通信機器を用いた医学管理を行い、次のアからウをすべて満たした場合に算定するとしています。

  • ア 電子処方箋管理サービスで最新の薬剤情報を確かめ、処方情報の登録時に重複投薬等チェック機能を使う
  • イ 調剤する保険薬局を事前に患者に確かめ、その薬局が電子処方箋に対応していることを確かめる
  • ウ 電子処方箋(引換番号が印字された紙の処方箋は除く)を発行する

施設基準には、電子処方箋に対応した医療機関であることをウェブサイトで掲示することも入っています。電子処方箋の導入費の補助は電子処方箋の補助金:診療所の上限と導入期限にまとめています。

オンライン診療:施設基準がア〜カになった

情報通信機器を用いた診療の施設基準は、ア〜エからア〜カに増えました。改定前のエ(初診で向精神薬を処方しないことのウェブサイト掲示)は、新しいエの(イ)に入っています。点数は、情報通信機器を用いた初診が253点、情報通信機器を用いた再診は再診料(76点)で算定します。

記号施設基準の内容(通知の要約)
ア〜ウ院外で診療する場合の実施場所、対面診療を提供できる体制、対面が難しいときに他の医療機関と連携できること(改定前からある)
エウェブサイトに、(イ)情報通信機器を用いた初診で向精神薬を処方しないこと、(ロ)自院の対応状況を記入したチェックリストを掲示する
オ医療広告ガイドラインを守る。ウェブサイトを作るときは「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にする
カ向精神薬を処方するときは、電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェック機能を使う。電子処方箋を入れていない場合は、令和10年5月31日まで、オンライン資格確認等システムか医療機関間のネットワークで薬剤情報を確かめてもよい

エの「チェックリスト」は、疑義解釈(その4 問17)で、医政局長通知(医政発0327第5号)の別添3「(医療機関向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト」を指すとされています。同じ疑義解釈(その4 問16)は、初診をオンラインで行い再診もオンラインで行った場合も、向精神薬は処方できないとしています。

手順オンライン診療の施設基準で確かめること
  1. チェックリストに自院の対応状況を記入する医政発0327第5号 別添3
  2. ウェブサイトに掲示するチェックリストと向精神薬の方針
  3. 医療広告ガイドラインに沿うか見直す事例解説書を参考に
  4. 向精神薬の処方時の確認方法を決める電子処方箋の重複投薬等チェック

東海北陸厚生局の資料では、情報通信機器を用いた診療は施設基準が改正された項目のうち「届出を必要としないもの」(表3)に入っています。すでに届け出ている医療機関も、新しく加わったエの(ロ)(チェックリストの掲示)・オ・カを満たしているかを確かめておく必要があります。エの(イ)(向精神薬の方針の掲示)は改定前からある要件です。

看護師等が患者のそばにいる状態で行うオンライン診療(D to P with N)では、訪問看護遠隔診療補助料(1日につき。医師と同じ医療機関の看護師等の場合265点)と、看護師等遠隔診療検査実施料・処置実施料(1種類100点・2種類以上150点)、看護師等遠隔診療注射実施料(100点)が新設されました。

診療所が確かめておくこと

手順改定後に診療所が見直す順番(例)
  1. 電子的加算の区分を決めて届け出る様式1の6
  2. マイナ保険証利用率を毎月確かめる3月前(前月・前々月の値も可)で30%以上
  3. 院内掲示とウェブサイトの掲載を見直す加算とオンライン診療の両方
  4. 電子処方箋と電子カルテの対応を確かめる加算1・2の要件

電子カルテの入れ替えや新規導入を考えている場合は、無床診療所向けのページと開業準備中の方向けのページも参考にしてください。

よくある質問

令和8年度診療報酬改定はいつから適用されましたか

診療報酬は令和8年6月1日からです。薬価は令和8年4月に先に改定されています。東海北陸厚生局の案内では、施設基準の届出は令和8年5月7日から受け付けられ、6月1日必着で受理されたものは6月1日から算定できるとされていました。

初診料と再診料はいくらになりましたか

初診料は291点で据え置き、再診料は75点から76点に上がりました。情報通信機器を用いた初診は253点です。

オンライン診療をすでに届け出ていれば、何もしなくてよいですか

届出のしなおしは要りませんが、施設基準に新しく加わったエの(ロ)・オ・カ(チェックリストのウェブサイト掲示、医療広告ガイドラインの遵守、向精神薬を処方するときの重複投薬等チェック)は満たしている必要があります。チェックリストは医政発0327第5号の別添3です。

出典

  1. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001745823.pdf
  2. 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第一(医科点数表)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  3. 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732097.pdf
  4. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その4)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001694332.pdf
  5. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その6)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001703573.pdf
  6. 厚生労働省「(医療機関向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト(医政発0327第5号 別添3)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001681020.pdf
  7. 東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出等について」
    https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000483720.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月7日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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