更新情報10/7(水)

電子的診療情報連携体制整備加算とは|加算1・2・3の違いと点数・施設基準【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

電子的診療情報連携体制整備加算は、オンライン資格確認・電子処方箋・電子カルテなどの医療DXの体制を評価する加算で、令和8年6月1日に新設されました。初診時は加算1が15点・加算2が9点・加算3が4点、再診時は2点で、どちらも月1回です。区分は施設基準の(1)〜(11)をどこまで満たすかで決まり、マイナ保険証利用率30%以上はどの区分でも要件に入っています(2026年10月時点で公表されている告示・通知・疑義解釈による)。

電子的診療情報連携体制整備加算とは

令和8年度診療報酬改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、その代わりに新設されたのが電子的診療情報連携体制整備加算です。厚生労働省の改定の資料は、マイナ保険証の利用・電子処方箋・電子カルテ情報共有サービス・サイバーセキュリティ対策などに係る新たな評価と説明しています。廃止された2つの加算との違いは、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算はどうなったかにまとめています。

外来では、初診料(A000 注16)・再診料(A001 注19)・外来診療料(A002 注10)に付く加算です。入院(入院初日)の加算もありますが、この記事では無床診療所に関わる外来の加算を中心に書きます。

点数(初診・再診)

医科点数表の点数は次のとおりです。

場面区分点数回数
初診加算115点月1回
初診加算29点月1回
初診加算34点月1回
再診(区分なし)2点月1回
数字外来の点数(令和8年6月1日から)
  • 15点初診の加算1月1回
  • 9点初診の加算2月1回
  • 4点初診の加算3月1回
  • 2点再診月1回

点数表の決まりで、次の2つの組み合わせはできません。

  • 初診の加算と再診の加算を同じ月に: 初診の加算を算定した月の再診、再診の加算を算定した月の別の病気の初診は、いずれも算定できないとされています(疑義解釈 その4 問4)
  • 明細書発行体制等加算(1点)と: 再診料の注11の明細書発行体制等加算とは別に算定できないと点数表に書かれています

施設基準:加算1・2・3を分けるもの

施設基準は、通知(保医発0305第7号)の「第1の8」に(1)〜(11)の番号で書かれています。区分の分け方は次のとおりです。

区分満たす基準
加算1(1)〜(11)のすべて
加算2(1)〜(8)のすべてと、(9)〜(11)のいずれか
加算3(1)〜(8)のすべて

改定の概要資料(医科全体版)は番号を(1)〜(10)にまとめ直しているため、番号がずれて見えることがあります。ここでは通知の番号で書きます。

どの区分でも必要な(1)〜(8)

  • (1) オンライン請求(電子情報処理組織を使った診療報酬請求)を行っている
  • (2) 詳しい明細書を患者に無償で交付している
  • (3) オンライン資格確認を行う体制がある。導入の際は医療機関等向けポータルサイトで運用開始日を登録する
  • (4) マイナ保険証利用率が30%以上(次の節)
  • (5) (4)の利用率は、前月か前々月の利用率に代えてもよい
  • (6) マイナポータルの医療情報等に基づき、患者の健康管理の相談に応じる体制がある
  • (7) オンライン資格確認で得た診療情報を活用していること、医療DXに取り組んでいること、明細書を無料で交付していることを院内の見やすい場所に掲示している
  • (8) (7)の掲示事項を、原則としてウェブサイトにも載せている(自院のホームページ等が無い場合を除く)

加算1・2を分ける(9)〜(11)

番号内容
(9)電子処方箋を発行する体制、または調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制がある
(10)要件を満たす電子カルテがある(下の節)
(11)電子カルテ情報共有サービスで得た診療情報を活用する体制がある、または地域の医療情報ネットワークを活用する体制などがある
比較加算1・2・3の違い

加算1

  • (1)〜(8)のすべて
  • (9)(10)(11)のすべて

加算2

  • (1)〜(8)のすべて
  • (9)(10)(11)のいずれか

加算3

  • (1)〜(8)のすべて
  • (9)〜(11)は問わない

マイナ保険証利用率30%の数え方

(4)の利用率は「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」で、算定する月の3か月前の値を使います。通知では、同じ月のマイナ保険証の利用者数を、その月の患者数で割った割合で、社会保険診療報酬支払基金から報告されるものと定めています。(5)により、3か月前の値に代えて、その前月か前々月の値を使うこともできます。

この基準は(1)〜(8)に入っているので、加算3でも必要です。利用率が30%を下回った月は、辞退の届出は要りませんが、加算は算定できないとされています(疑義解釈 その12 問3)。

電子処方箋の体制((9))で求められること

疑義解釈では、(9)の「電子処方箋を発行する体制」を次のように説明しています。

  • 院外処方の場合: 原則として、電子処方箋を発行するか、引換番号が印字された紙の処方箋を発行して処方情報を登録している(その4 問1)
  • 院内処方の場合: 原則として、院内で調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録している(その4 問1)
  • 機能の範囲: 現時点では、令和5年1月26日から稼働した基本機能に対応した電子処方箋を発行できればよい(その6 問4)
  • 発行できる医師の数: 原則は処方する医師の全員。ただし当面の間は、常勤医師2名以上(常勤医師が1名だけなら1名以上)が発行できればよい(その7 問3)

電子処方箋の導入費の補助は、電子処方箋の補助金:診療所の上限と導入期限にまとめています。

電子カルテの要件((10))

(10)は「アからウの全て又はエを満たす電子カルテを有していること」です。

記号内容現時点の扱い
ア厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制—
イ電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースがある電子処方箋の運用開始日が登録され、厚生労働省のウェブサイトで対応施設として公表されている状態(その4 問2)。システムの導入・カードリーダーの購入・利用申請を済ませていれば、HPKIカードの取得待ちでも当面の間は満たすとされている(取得後は速やかに運用開始日を登録して発行を始める。その8 問3)
ウ電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースがある当面の間に限り、満たしているものとみなす(通知 第1の8 4(2))
エ厚生労働省が認証する電子カルテ製品である認証制度は検討中で、まとまり次第示す予定(その6 問1)

エの認証制度は、疑義解釈(その6 問1、令和8年5月22日)で「検討中」とされ、その後の疑義解釈(その12まで)でも制度は示されていません。認証制度の動きと、掲載している電子カルテの電子処方箋・情報共有サービスへの対応の記載は電子カルテの認証制度と各製品の対応状況にまとめています。電子カルテを比べるときは、電子カルテの比較で、公式サイトが電子処方箋への対応を記載している製品を絞り込めます。

  1. 1

    MAPs for CLINIC4.5/5

    株式会社EMシステムズ・電子カルテ

    ¥20,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋整形外科・耳鼻咽喉科・小児科ほか2

    レセコン機能を一体で持つ診療所向けのクラウド電子カルテで、ORCAとの連携も選べる。初期ライセンスは無料の月額制で、Web予約・問診やレセプトチェックの機能を含む。

  2. 2

    Medicom クラウドカルテ4.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    ¥24,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    ウィーメックスのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。Basicプランは初期費用と月額を公式に示しており、Premiumプランは見積りとなる。

  3. 3

    エムスリーデジカル4.5/5

    エムスリーデジカル株式会社・電子カルテ

    ¥11,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    クラウド型の電子カルテで、レセコン一体型プランとORCA連動型プランから選べる。ブラウザで動作し、電子処方箋に対応している。

  4. 4

    CLIUS(クリアス)4.0/5

    株式会社DONUTS・電子カルテ

    ¥12,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋小児科・在宅医療

    DONUTSのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコンにはWEB ORCAを使う。導入作業込みの通常プランと、自分で設定するDirectプランがあり、歯科・鍼灸院・接骨院は対象外。

  5. 5

    CLINICSカルテ3.5/5

    株式会社メドレー・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド電子処方箋

    自社開発のレセプト機能と一体になった診療所向けのクラウド電子カルテ。Web予約・問診、自動精算機、検査会社などと連携し、iPadでの手書き記録にも対応する。

編集部スコア順(2026年10月7日時点)。当てはまる13本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる13本をすべて見る

上の一覧は、公式サイトに電子処方箋への対応の記載がある製品です。加算の施設基準を満たすかどうかは、製品だけでなく医療機関の体制全体で決まります。

情報共有の体制((11))

(11)は「アを満たす又はイ及びウを満たすこと」です。

  • ア: 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスで得た診療情報等を活用する体制
  • イ: 地域の医療機関の間で検査結果や画像情報などを共有・閲覧できるネットワークを活用する体制。ネットワークの参加医療機関が10以上(うち診療情報を開示している病院が2以上)、登録患者数1,000人以上または新規登録が年間100人以上、運営主体が参加医療機関名と登録患者数をウェブサイトで公表していること
  • ウ: 診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算か電子的診療情報評価料の施設基準を届け出ていること、ネットワークに参加していることと共有の実績がある医療機関の名称を院内に掲示していること

疑義解釈では、ネットワークで少なくとも概ね2か月に1回以上、診療情報の閲覧か共有を行う必要があるとされ(加入した月から3か月後までは除く。その7 問1)、チャットやメーリングリストで日々の報告を共有するだけのネットワークは要件を満たさないとされています(その8 問1)。イとウを満たす場合は、(10)ウの「電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェース」も満たすものとみなされます(その2 問1)。

届出の様式と算定を始められる月

届出は「様式1の6」で、地方厚生(支)局に出します。新設の加算なので、医療DX推進体制整備加算(入院では診療録管理体制加算も)を届け出ていた医療機関も、改めて届け出る必要があります(疑義解釈 その1 問3)。

手順届出から算定までの流れ
  1. 施設基準を満たしているか確かめる(1)〜(11)のどこまで満たすか
  2. 様式1の6で地方厚生局に届け出る(4)(6)は届出不要
  3. 月末までに受理される受理の月で決まる
  4. 翌月1日から算定する月の最初の開庁日の受理はその月から
  • 初診の加算を届け出ていれば、再診の加算のための追加の届出は要りません(その5 問1)
  • (4)と(6)の基準は、満たしていればよく、届出は要りません(通知 第1の8 4(3))
  • 東海北陸厚生局の案内では、月末までに受理された届出は翌月1日から算定し、月の最初の開庁日に受理された場合はその月の1日から算定するとされています
  • 加算2・3から加算1・2へ区分を上げるときは、辞退の届出は要りませんが、改めて届出が必要です(その12 問2)

開業前から加算の体制を組んでおきたい場合は、開業準備中の方向けのページと無床診療所向けのページも参考にしてください。

よくある質問

初診の加算と再診の加算は同じ月に両方算定できますか

できません。疑義解釈(その4 問4)で、初診の加算を算定した月の再診と、再診の加算を算定した月の別の病気の初診は、いずれも算定不可とされています。

マイナ保険証利用率が30%を下回ったら辞退届を出しますか

辞退の届出は要りません。ただし、利用率の基準を満たさない月は加算を算定できないとされています(疑義解釈 その12 問3)。利用率は、算定する月の3か月前の値か、その前月・前々月の値を使います。

「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」はもうありますか

まだ示されていません。疑義解釈(その6 問1)では、標準仕様に準拠した電子カルテ製品の認証制度を検討中で、まとまり次第示すとされています。それまでは、アからウ(安全管理ガイドラインへの準拠・電子処方箋管理サービスとの接続・電子カルテ情報共有サービスとの接続)の組み合わせで要件を確かめることになります。

医療DX推進体制整備加算を届け出ていれば、届出しなおしは要りませんか

要ります。疑義解釈(その1 問3)で、医療DX推進体制整備加算(入院では診療録管理体制加算も)を届け出ていた医療機関も、6月1日以降に電子的診療情報連携体制整備加算を算定するには改めて届出が必要とされています。

出典

  1. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001745823.pdf
  2. 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第一(医科点数表)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  3. 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732097.pdf
  4. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001678310.pdf
  5. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その2)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001689076.pdf
  6. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その4)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001694332.pdf
  7. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その5)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001698587.pdf
  8. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その6)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001703573.pdf
  9. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001707505.pdf
  10. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その8)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001712853.pdf
  11. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その12)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001744953.pdf
  12. 東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出等について」
    https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000483720.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月7日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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