オンライン診療の広告ルール:診療所のホームページに書けること(2026年4月改正)【2026年】

要点
オンライン診療の広告は、医療法第6条の5第3項と、それに基づく告示(平成19年厚生労働省告示第108号)が定める範囲で、診療所がオンライン診療をしている旨とその内容、オンライン診療基準を守るために患者へ伝える事項をホームページなどに載せられるルールです。2026年4月1日から、受診施設を使うオンライン診療を広告できる第15号と、本人確認の方法・診療前相談の結果オンライン診療を行えない可能性があることとその確認に患者が負担する費用・対面診療へ移る体制・情報セキュリティの措置などを広告できる告示第4条第1項第20号が加わりました。医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)は、初診で処方できない薬がある場合はその旨を明記することが望ましいとしています(2026年10月時点で公表されている厚生労働省の資料による)。
オンライン診療について広告できる根拠
診療所がオンライン診療について広告できる根拠は、医療法第6条の5第3項の第13号・第15号・第16号(告示)の3つで、予約の受付は第4号で書けます。医療広告は、限定解除の場合を除き、法と告示で広告できるとされた事項以外は載せられないため、どの号に当たるかで書ける内容が決まります。
| 根拠 | 広告できること | どんな場合か |
|---|---|---|
| 第4号 | 予約による診療の実施の有無(予約受付時間・電話番号・予約サイトのURLなど) | 予約を受けて診療する場合 |
| 第13号 | オンライン診療をしている旨とその内容 | 受診施設を使わずにするオンライン診療(自宅などにいる患者を診る場合) |
| 第15号 | 勤務する医師が受診施設を使ってオンライン診療をする旨と、そのオンライン診療の内容 | オンライン診療受診施設を使う場合(2026年4月1日に追加) |
| 第16号(告示第4条第1項第20号) | オンライン診療基準(法第14条の3第1項)の遵守に関して必要な事項 | オンライン診療をする医療機関(2026年4月1日に追加) |
- オンライン診療をしている旨そのものは、告示で定める検査・手術その他の治療の方法か、提供される医療の内容に当たるものであれば、第13号で広告できるとガイドラインはしています。Q&A(A3-27)も「広告可能です」と答えています
- ガイドラインは、受診施設を使わずに行うオンライン診療の内容は第13号で、受診施設を使うオンライン診療は第15号で広告できると分けています
- 告示の改正(令和8年厚生労働省告示第115号)で、第4条第1項に第20号が新設され、それまでの第20号(都道府県知事の定める事項)は第21号に移りました
第13号
受診施設を使わない
- 自宅などにいる患者を診る
- オンライン診療をしている旨と内容
- Q&A A3-27でも広告できる
第15号
受診施設を使う
- 受診施設にいる患者を診る
- 受診施設を使う旨と診療の内容
- 2026年4月1日に追加
オンライン診療受診施設そのものの仕組みや、受診施設の側の広告の制限はオンライン診療受診施設の記事で説明しています。法改正の全体(開設届・オンライン診療基準・管理者の措置)はオンライン診療の医療法改正2026の記事にまとめています。
告示第20号で広告できる事項
告示第4条第1項第20号は、オンライン診療基準(医療法施行規則第9条の6の3から第9条の6の19まで)を守るために患者へ発信する必要がある事項と、基準に適合してオンライン診療をしている旨などを広告できるようにしたものです。ガイドラインは例として次の5つを挙げています。
| 例 | 広告できる事項(ガイドラインの例示) |
|---|---|
| ① | 医師と患者が身分確認書類で互いに本人であることを確認する必要があることと、その確認の方法 |
| ② | 診療前相談で症状や医学的情報を確かめた結果、オンライン診療を行えない可能性があることと、その確認にかかる患者の負担する費用 |
| ③ | オンライン診療から必要な対面診療に移れる体制を確保していること |
| ④ | オンライン診療をする医師が所属する病院・診療所と、その問合せ先 |
| ⑤ | オンライン診療に使うシステムの情報セキュリティの確保などの措置を講じていること |
- ガイドラインの例示の末尾は「等」で、この5つに限るものではありません。趣旨は、基準を守るために患者に伝える必要がある事項と、基準に適合して実施している旨を広告できるようにすることとされています
- 処方について、ガイドラインは、指針で初診での処方が禁止されている医薬品や、初診での投与に十分な検討が必要な薬剤を処方する場合は、「オンライン診療において初診では処方できない旨」または「処方できない場合がある旨」を明記することが望ましいとしています
- 初診で処方できない薬の範囲そのものはオンライン診療の初診と処方の記事で扱っています
施行通知(医政発0327第5号)は、今回の改正で「オンライン診療基準の遵守に必要な事項」を広告可能事項に追加したほか、受診施設なども、オンライン診療をする医療機関について広告可能事項を広告できることを明確にしたと説明しています。
受診施設を使う場合の書き方(第15号)
受診施設を使う診療所は、勤務する医師が受診施設を使ってオンライン診療をする旨と、そのオンライン診療の内容を広告できます。ガイドラインが挙げている具体例は次の2つです。
- 「○○町のオンライン診療受診施設において、オンライン診療も実施している病院です。」
- 「当医療機関のA医師は毎週月曜日に、○○オンライン診療受診施設にてオンライン診療を実施しています。」
あわせて、告示第4条第2項は、医療法第6条の5第3項第1号・第3号・第5号〜第15号と告示第4条第1項の各号の事項のうち、オンライン診療をする医師やオンライン診療実施病院等(オンライン診療をする医師が勤務する病院・診療所)のオンライン診療に関するものを、受診施設なども広告できることを明確にしました。ただしガイドラインは、医療機関が主体となって受診施設について広告する場合は医療機関が、受診施設を設置する法人などが主体となってオンライン診療について広告する場合はその法人などが広告規制の対象になるとしています。受診施設を設置する法人などが施設で提供される医療の内容を広告するときは、正確な情報を発信する観点から、その法人などがオンライン診療をする医療機関に必要な確認をすることとされています。
予約・URLの書き方(第4号)
オンライン診療の予約を受けている場合は、第4号の「予約による診療の実施の有無」として広告できます。ガイドラインは、「平日○○時~○○時予約受付」「24時間予約受付」のように予約時間を示すことや、予約を受ける電話番号・ウェブサイトのURL・メールアドレスを示すことも差し支えないとしています。
- URLやメールアドレスは第12号関係でも広告でき、QRコードによる広告も差し支えないとされています
- 選定療養としての予約診療の場合は、その制度や負担費用もあわせて示すことが望ましいとされています
- 自由診療のページで広告可能事項の限定解除をするときは、問い合わせ先の明示が要件の1つです。Q&A(A6-10)は、予約専用と書かれ問い合わせができる旨の記載がない電話番号では、この要件を満たさないとしています
オンライン診療の予約を受け付ける仕組みはオンライン診療システムの比較で、予約だけを受ける仕組みは予約システムの比較で見られます。
ホームページを見直す順番
2026年4月の改正を受けてホームページを見直すときは、どの号で書いているかを1項目ずつ確かめていく形が分かりやすくなります。
- オンライン診療をしている旨を確かめる第13号・A3-27
- 受診施設を使うなら第15号で書くガイドラインの具体例
- 基準のための事項を載せる告示第20号の①〜⑤
- 初診で処方できない旨を書く該当する薬がある場合
- 予約と問い合わせ先を分けて示す第4号・A6-10
広告できる事項に当たっても、内容が事実と違えば虚偽広告になります。最上級の表現・体験談・術前術後の写真の扱いなど、オンライン診療に限らないNG表現は医療広告ガイドラインのNG表現の記事で整理しています。
診療報酬の施設基準との関係
保険診療で情報通信機器を用いた診療をする場合、医療広告ガイドラインを守っていることが施設基準の要件の1つです。令和8年度の施設基準の通知(保医発0305第7号)は、要件のオで、医療広告ガイドラインを遵守していることと、ウェブサイトを作る際に「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にすることを求めています。点数や施設基準のほかの要件は診療報酬改定2026の医療DX・オンライン診療の記事にまとめています。
開業に合わせてホームページを作る方は開業準備のページ、無床診療所の方は無床診療所のページ、オンライン診療と組み合わせる電子カルテは電子カルテの比較も参考にしてください。電子カルテ情報共有サービスや標準型電子カルテなど医療DXの用語は医療DX・電子カルテの用語集で確かめられます。
よくある質問
自宅にいる患者だけを診る場合、2026年4月の改正で広告のルールは変わりましたか
受診施設を使わないオンライン診療の内容は、ガイドライン上、第13号で広告できます。改正で加わったのは、受診施設を使う場合の第15号と、本人確認の方法や対面診療へ移る体制などを広告できる告示第4条第1項第20号です。告示第20号はオンライン診療基準を守るための事項なので、受診施設を使わない場合にも関わります。広告とは別に医療法で求められる対応は医療法改正の記事で説明しています。
診療前相談の費用はホームページに書けますか
書けます。ガイドラインは告示第20号の例として、診療前相談で確かめた結果オンライン診療を行えない可能性があることと、その確認にかかる患者の負担する費用を挙げています。
初診で処方できない薬があることは書いたほうがよいですか
ガイドラインは、指針で初診での処方が禁止されている医薬品や、初診での投与に十分な検討が必要な薬剤を処方する場合は、初診では処方できない旨、または処方できない場合がある旨を明記することが望ましいとしています。
判断に迷うときはどこに相談しますか
各医療機関を所管する地方自治体や保健所です。Q&A(A5-1)は、厚生労働省のホームページに問い合わせ窓口の一覧が載っていると案内しています。
出典
- e-Gov法令検索「医療法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)
https://www.mhlw.go.jp/content/001683594.pdf - 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定)
https://www.mhlw.go.jp/content/001683595.pdf - 厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)」(医政発0327第5号、令和8年3月27日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001681277.pdf - 厚生労働省「厚生労働省告示第百十五号(広告することができる事項の一部を改正する告示)」(令和8年3月27日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001681284.pdf - 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)」(令和8年3月5日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757361.pdf
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