更新情報10/8(木)

HPKIカードとセカンド電子証明書の違い|申請先・費用・発行までの期間【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

HPKIカードは、医師・薬剤師などの国家資格を持つ本人であることを証明するICカードで、電子処方箋に署名するときはカードをICカードリーダーにかざして暗証番号を入れます(ローカル署名)。HPKIセカンド電子証明書はクラウド上に置く電子証明書で、1日1回、HPKIカード・マイナンバーカード・スマホの生体認証のいずれかで本人認証をすれば、その後はカードをかざさずに署名できます(リモート署名)。医師の申請先は日本医師会電子認証センターかMEDISで、日本医師会の医師資格証は2027年1月1日の申請分から、非会員の発行手数料がカードなし10,000円・カードあり20,000円(税抜)に変わります(2026年10月時点の各発行元の案内による)。

HPKIとは

HPKIは、保健医療福祉分野の公開鍵基盤のことで、医師などの国家資格を電子的に確かめられる電子証明書の仕組みです。電子処方箋のように、法令で医師などの資格を持つ人が作ることになっている文書を電子で作るときは、資格を確かめられる電子署名が要ります。

厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」のQ&Aは、令和8年7月31日時点でこの要件を満たす電子署名として、次の3つを挙げています。

  • 日本医師会電子認証センターが発行する「医師資格証」
  • 日本薬剤師会認証局が発行する「薬剤師資格証」
  • 医療情報システム開発センター(MEDIS)の電子認証局が発行する「HPKI電子証明書」

なお、厚生労働省の資料は、紙に電子印鑑の印影を印刷しただけでは、一般的に法令上の署名または記名押印の要件を満たさないとしています。

HPKIカードとセカンド電子証明書の違い

違いは、署名のたびにカードを使うかどうかです。

比較ローカル署名とリモート署名

ローカル署名

HPKIカードを使う

  • 署名のたびにカードをかざす
  • 暗証番号(PIN)を入力する

リモート署名

セカンド電子証明書を使う

  • 1日1回の本人認証で署名
  • 年度ごとの利用料がかかる
項目HPKIカード(ローカル署名)HPKIセカンド電子証明書(リモート署名)
電子証明書の置き場所ICカードの中クラウド上
署名のしかた署名のたびにカードをICカードリーダーにかざし、暗証番号を入れる事前に本人認証をすれば、その後は署名リクエストで署名が付く
本人認証署名のたび(システムによっては、カードを外すまで認証が続くものもある)1日1回。HPKIカード・マイナンバーカード・スマホの生体認証から選ぶ
医療機関側の準備署名用のソフトの設定、端末の数だけのICカードリーダークライアント証明書の申請、ソフトの設定、ネットワーク(ルーター・プロキシ)の設定変更、年度ごとの利用料

厚生労働省の資料では、リモート署名の本人認証は一度行えば1日程度有効とされています。日本医師会は、セカンド電子証明書とスマホを紐付けておけば、生体認証が医師資格証の暗証番号の代わりになり、一度認証すると一定期間(18時間)は署名のたびの認証が要らないと説明しています。セカンド電子証明書を使えば、医師資格証が紛失や破損で手元にないときでも署名を続けられます。

リモート署名で本人認証にICカードリーダーを使う場合、端末ごとに買う必要はなく、認証に使う端末の分を用意すればよいとされています。スマホの生体認証なら、ICカードリーダーは要りません。

HPKIカードがなくても電子処方箋は出せるか

HPKIカードがなくても出せる方法があります。厚生労働省の電子処方箋の概要案内は、電子署名の方法として次の3つから選べるとしています。

方法必要な申請
① HPKIカードの中の電子証明書を使うHPKIカード(物理的なカード)の発行申請
② HPKIカードやスマホで、クラウド上の電子証明書を使うHPKIカードの発行申請
③ HPKIと紐付けたマイナンバーカードで電子証明書を使うマイナポータルからの利用申請

マイナンバーカードを本人認証に使う場合は、マイナポータルから申請する方法が勧められています。認証局に直接申請した場合は、HPKIカードを受け取ったあとにMEDISのデバイス登録サイトで登録する追加の対応が要ります。

電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準のうち、電子カルテの「電子処方箋管理サービスとの接続インターフェース」の要件は、電子処方箋システムの導入・カードリーダーの購入(必要な場合)・利用申請を済ませていれば、HPKIカードの取得待ちでも当面の間は満たすとされています(疑義解釈 その8 問3)。カードを取得したら、速やかに電子処方箋の運用開始日を登録したうえで、電子処方箋か、引換番号を印字した紙の処方箋を発行して処方情報を登録する必要があります。施設基準の全体は電子的診療情報連携体制整備加算とはにまとめています。

申請先

申請先は国家資格によって違います。

資格申請先
医師日本医師会電子認証センター、またはMEDIS
歯科医師MEDIS
薬剤師日本薬剤師会認証局、またはMEDIS

日本医師会と日本薬剤師会は、非会員にも発行しています。MEDISの発行は、すべて有料です。

費用(日本医師会の医師資格証)

日本医師会の医師資格証は、2027年1月1日の申請分から非会員の発行手数料が変わります。会員は無料のままです。

申請の時期区分会員非会員
2026年12月31日までマイナポータルから申請無料無料
2026年12月31日までそれ以外の申請無料5,000円(税込5,500円)
2027年1月1日から(新規)カードなし(セカンド電子証明書のみ)無料10,000円(税込11,000円)
2027年1月1日から(新規)カードあり(セカンド電子証明書も同時に発行)無料20,000円(税込22,000円)
数字日本医師会の非会員の手数料(2027年1月1日申請分から・税抜)
  • 10,000円カードなしセカンドのみ
  • 20,000円カードありセカンドも発行

申請の時期による違いは、ほかにもあります。

  • 2026年12月31日までの申請: 会員・非会員、申請方法にかかわらず、ICカードとセカンド電子証明書の両方が発行されます
  • 2027年1月1日からの申請: 非会員がマイナポータルから申請するとセカンド電子証明書だけの発行になり、郵送や日本医師会のホームページから申請する場合はICカードを発行するかを選べます

表のとおり、非会員の手数料は、カードの有無にかかわらず2026年12月31日までに申請するほうが低くなります。ただし、いまはICカードが不足しているため、カードはセカンド電子証明書より後に届きます。

費用と書類(MEDIS)

MEDISのHPKI電子証明書は、医師・歯科医師・薬剤師の場合、26,950円(税込)です。この費用には、電子証明書・ICカードと、本人限定受取郵便での送料が含まれます。申請は郵送かマイナポータルからだけで、カードを発行しないセカンド電子証明書だけの申請は、マイナポータルからだけ受け付けています。

郵送で申請するときに準備する書類は次のとおりです。

  • 電子証明書の発行申請書(実印で押印)
  • 住民票(申請日の3か月以内のもの。マイナンバーの記載がないもの)
  • 本人確認資料のコピー(運転免許証・マイナンバーカードなどのうち1点)
  • 印鑑登録証明書(申請日の6か月以内のもの)
  • 国家資格の免許証のコピー
  • 写真(申請日の6か月以内に写したもの)

MEDISのHPKI電子証明書の有効期間は、発行日から5回目か6回目の誕生日までです。

申請から使い始めるまで

日本医師会の案内では、申請から医師資格証の発行・発送までは2〜3か月程度(非会員は発行費用の支払いが確認されてから2〜3か月程度)です。

手順日本医師会の医師資格証の申請から受け取りまで
  1. 申し込むマイナポータル・HP・郵送
  2. 手数料を払う手数料がかかる場合
  3. 発行・発送申込から2〜3か月程度
  4. 受け取る郵送で届く場合もある

いまはICカードが不足しているため、日本医師会は医師資格証の発行を一時止め、セカンド電子証明書を先に発行しています。ICカードが入荷したら順に医師資格証を発行し、医師資格証の有効期間はセカンド電子証明書の発行から5回目の誕生日までです。

厚生労働省の電子処方箋の補助金の資料では、資格確認のためのカードリーダーの導入費用は補助の対象になる費用に含まれ、カードの取得費用は除かれています。補助の期限と申請の状況は電子処方箋の補助金で確かめてください。電子処方箋に対応した電子カルテは、電子カルテの比較で絞り込めます。開業の準備と合わせて進める場合は開業準備中の方向けのページも参考にしてください。

  1. 1

    MAPs for CLINIC4.5/5

    株式会社EMシステムズ・電子カルテ

    ¥20,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋整形外科・耳鼻咽喉科・小児科ほか2

    レセコン機能を一体で持つ診療所向けのクラウド電子カルテで、ORCAとの連携も選べる。初期ライセンスは無料の月額制で、Web予約・問診やレセプトチェックの機能を含む。

  2. 2

    Medicom クラウドカルテ4.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    ¥24,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    ウィーメックスのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。Basicプランは初期費用と月額を公式に示しており、Premiumプランは見積りとなる。

  3. 3

    エムスリーデジカル4.5/5

    エムスリーデジカル株式会社・電子カルテ

    ¥11,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    クラウド型の電子カルテで、レセコン一体型プランとORCA連動型プランから選べる。ブラウザで動作し、電子処方箋に対応している。

  4. 4

    CLIUS(クリアス)4.0/5

    株式会社DONUTS・電子カルテ

    ¥12,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋小児科・在宅医療

    DONUTSのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコンにはWEB ORCAを使う。導入作業込みの通常プランと、自分で設定するDirectプランがあり、歯科・鍼灸院・接骨院は対象外。

  5. 5

    CLINICSカルテ3.5/5

    株式会社メドレー・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド電子処方箋

    自社開発のレセプト機能と一体になった診療所向けのクラウド電子カルテ。Web予約・問診、自動精算機、検査会社などと連携し、iPadでの手書き記録にも対応する。

編集部スコア順(2026年10月8日時点)。当てはまる13本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる13本をすべて見る

上の一覧は、公式サイトに電子処方箋への対応の記載がある製品です。リモート署名に対応しているかなど、署名の方式への対応は各製品の公式サイトとシステム事業者に確かめてください。

よくある質問

電子署名は事務職員が代わりにしてもよいですか

できません。厚生労働省の資料は、紙の処方箋への署名や記名押印と同じく、電子署名も医師・歯科医師・薬剤師本人が行う必要があるとしています。

リモート署名の本人認証に私物のスマホを使っても大丈夫ですか

厚生労働省の資料では、スマホと院内のシステムが直接つながることはないため、私物のスマホで生体認証をしても院内のシステムへの影響はないとしています。ただし、ほかのセキュリティ対策は安全管理ガイドラインなどに沿って行う必要があります。

医師資格証が届くまで電子処方箋は始められませんか

日本医師会はICカードが不足している間、セカンド電子証明書を先に発行しています。セカンド電子証明書があれば、電子カルテなどのシステムがリモート署名に対応している場合に、リモート署名で署名できます。リモート署名には、医療機関側でクライアント証明書の申請やネットワークの設定、年度ごとの利用料の支払いが必要です。

HPKIの電子証明書に有効期限はありますか

あります。日本医師会は、ICカードの不足でセカンド電子証明書を先に発行している場合、医師資格証の有効期間をセカンド電子証明書の発行から5回目の誕生日までとしています。MEDISのHPKI電子証明書は発行日から5回目か6回目の誕生日までです。期限が来たら更新の手続きが要ります。

出典

  1. 厚生労働省「電子処方箋における電子署名について」1.4版(令和8年8月26日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001242673.pdf
  2. 厚生労働省「電子処方箋 概要案内【病院・診療所】1.7版」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001015134.pdf
  3. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 Q&A」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001752355.pdf
  4. 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その8)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001712853.pdf
  5. 厚生労働省「医療情報化支援基金等(①電子処方箋、②電子処方箋の機能拡充の促進事業)」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001208233.pdf
  6. 日本医師会電子認証センター「医師資格証(HPKIカード)新規お申込み 申請の概要」
    https://www.jmaca.med.or.jp/application/
  7. 日本医師会電子認証センター「セカンド電子証明書とは」
    https://www.jmaca.med.or.jp/hpki/second_digital/
  8. 一般財団法人医療情報システム開発センター(MEDIS)「HPKI電子証明書の申請」
    https://www.medis.or.jp/8_hpki/application.html

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月8日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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