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標準型電子カルテ(導入版)とは|対象・機能・いつから使えるか【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

標準型電子カルテ(導入版)は、国が開発している医科の無床診療所向けの電子カルテのアプリで、電子カルテ情報共有サービスの閲覧・診療情報提供書の送付・電子処方箋の発行・外注検査の結果の登録といった国の医療DXの機能だけに絞ったものです。診療録は紙カルテのままでも使え、2026年度中の完成を目指しています。デジタル庁の調達仕様書では令和8年秋ごろからモデル事業を始め、令和8年度末頃に本格リリースする予定で、診療所が導入するときの機器の補助は令和9年度の概算要求の段階です(2026年10月時点)。

標準型電子カルテ(導入版)とは

標準型電子カルテ(導入版)は、紙カルテのまま国の医療DXのサービスを使いたい医科の無床診療所のためのアプリです。厚生労働省の電子カルテ普及計画(2026年9月9日)に載っている第28回医療等情報利活用ワーキンググループ資料の抜粋(令和8年3月12日現在)では、開発中の医科無床診療所向けの標準型電子カルテ(クラウドネイティブ)のうち、国の医療DXの対応機能に限った「導入版」を開発しているとしています。

紙カルテや今の電子カルテの業務はそのままに、国の医療DXに対応できるようにするというのが導入版の考え方です。画面は医療DXへの対応を中心にし、クリック操作を主にした簡単な作りにするとされています。

導入版でできること

導入版でできるのは、国の医療DXのサービスとのやり取りに限られます。普及計画に載っている資料では、次の機能が挙げられています。

  • 電子カルテ情報共有サービスを使う病院・診療所からの診療情報提供書や検査データを閲覧する
  • アプリに入力して、診療情報提供書を病院・診療所に送る
  • アプリに入力して、電子処方箋を発行する
  • 外注の検査機関と連携して、自院の検査データを電子カルテ情報共有サービスに登録する(検査結果の手入力は要らない)
関係導入版とつながる国のサービス
  1. 紙カルテ診療録はここに書く
  2. 併用
  3. 導入版外注検査とも連携
  4. 連携
  5. 共有サービス・電子処方箋閲覧・登録・発行

デジタル庁の調達仕様書(2026年2月)は、導入版で実装する機能を、所見の入力、電子カルテ情報共有サービスへのデータ連携と参照、電子処方箋管理サービスへの院外処方箋の連携と調剤情報の取得、検体検査の結果の取得など「最小限の機能」に限るとしています。システムはSaaS型のクラウドサービスとして提供し、ガバメントクラウド上での開発・実装を前提に検討するとされています。

電子カルテ情報共有サービスの仕組みと共有される情報は電子カルテ情報共有サービスとはにまとめています。

いつから使えるか

導入版は2026年度中の完成を目指しています。令和8年9月30日に告示された医療情報化推進方針(2026年10月1日から適用)も、導入版について2026年度中の完成を目指して開発を進め、医療機関の導入を促すとしています。

手順導入版の予定(2026年10月時点の資料)
  1. モデル事業を始める令和8年秋ごろ
  2. 本格リリース令和8年度末頃
  3. 普及2027年度以降

デジタル庁の調達仕様書は、令和8年秋ごろからモデル事業を始め、令和8年度中にリリースし、令和8年度末頃に本格リリースするとしています。モデル事業に参加する医療機関には、厚生労働省が別に調達する機器を設置・導入する予定とされています。

普及計画の製品ごとのスケジュールでは、導入版は2026年度にモデル事業、2027年度以降に普及と機能拡充に向けた改修とされ、普及の具体的な方策は、その時点で実装している機能などを踏まえて判断するとしています。2026年10月時点で、一般の診療所が申し込める時期や方法は公表されていません。

補助の予定

導入版を入れる医科診療所への補助は、令和9年度の概算要求に入っています。普及計画に載っている厚生労働省の概算要求資料では、「標準型電子カルテ・導入版の開発・普及」の要求額は93億円(うちデジタル庁計上分43億円)です。

数字導入版の令和9年度概算要求
  • 93億円要求額うちデジタル庁計上43億円
  • 定率事業の補助率上限あり(額は未公表)

事業の目的は、導入版のアプリの提供・保守・運用と、医科診療所が導入版を入れるときの機器の購入・設置の経費の支援などとされ、事業全体の補助率は「定率(上限あり)」と書かれています。この事業には、病院版の医療情報共有ツールの開発なども含まれています。具体的な補助率と上限額は2026年10月時点で公表されていません。概算要求の内容は、今後の予算編成や国会審議で変わる可能性があります。

「標準型電子カルテ」の方針はどう変わったか

「標準型電子カルテ」は、当初は電子カルテが未導入の医療機関に国が提供するものとして計画されていました。デジタル庁の資料(2023年12月)では、未導入の医療機関に標準規格に準拠したクラウドベースの「標準型電子カルテ」を提供するとし、令和5年度補正予算12.9億円でα版を開発するとしていました。

いまの方針では、電子カルテの本体は民間の製品が担い、導入版は紙カルテを使い続けたい診療所向けの経過的な対応という位置づけです。普及計画は、医療機関の状況に応じて次のように支援を分けています。

医療機関の状況対応する施策
紙カルテを使い続けたいが、国の医療DXのサービスは使いたい(診療所に限る)標準型電子カルテ・導入版(クラウドネイティブ型、紙カルテと併用)
紙カルテから電子カルテに移りたい認証されたクラウドネイティブ型電子カルテ製品の普及支援
電子カルテを使っていて、機器の更新のときに医療DXに対応させたい認証製品の普及支援(今のクラウド製品で機能が足りない場合はパッケージ版電子カルテ製品の普及支援)
電子カルテの更新が当分先で、まず国の医療DXのサービスにつなぎたい個別改修による電子カルテ情報共有サービスへの接続支援など
比較導入版と認証された電子カルテ

導入版

  • 国が開発するアプリ
  • 医療DXの機能だけ
  • 診療録は紙カルテのまま

認証された電子カルテ

  • 民間の製品
  • 標準仕様に準拠
  • 診療所・中小病院向け

認証された電子カルテの制度は、標準仕様に準拠したクラウドネイティブ型の製品を厚生労働省が認証することを想定したもので、医療情報化推進方針は2026年度中に制度を作るとしています。認証の要件と各製品の対応状況は電子カルテの認証制度と各製品の対応状況にまとめています。

紙カルテの診療所が今できること

導入版の提供が始まるまでの間に、紙カルテの診療所が電子処方箋などを使いたい場合は、電子処方箋に対応したレセコンや電子カルテの導入を検討することになります。電子処方箋の導入費の補助の上限額と導入期限は電子処方箋の補助金にまとめています。

電子カルテに移ることを考えている場合は、掲載している電子カルテを比べられます。

  1. 1

    MAPs for CLINIC4.5/5

    株式会社EMシステムズ・電子カルテ

    ¥20,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋整形外科・耳鼻咽喉科・小児科ほか2

    レセコン機能を一体で持つ診療所向けのクラウド電子カルテで、ORCAとの連携も選べる。初期ライセンスは無料の月額制で、Web予約・問診やレセプトチェックの機能を含む。

  2. 2

    Medicom クラウドカルテ4.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    ¥24,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    ウィーメックスのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。Basicプランは初期費用と月額を公式に示しており、Premiumプランは見積りとなる。

  3. 3

    エムスリーデジカル4.5/5

    エムスリーデジカル株式会社・電子カルテ

    ¥11,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    クラウド型の電子カルテで、レセコン一体型プランとORCA連動型プランから選べる。ブラウザで動作し、電子処方箋に対応している。

  4. 4

    CLIUS(クリアス)4.0/5

    株式会社DONUTS・電子カルテ

    ¥12,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋小児科・在宅医療

    DONUTSのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコンにはWEB ORCAを使う。導入作業込みの通常プランと、自分で設定するDirectプランがあり、歯科・鍼灸院・接骨院は対象外。

  5. 5

    CLINICSカルテ3.5/5

    株式会社メドレー・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド電子処方箋

    自社開発のレセプト機能と一体になった診療所向けのクラウド電子カルテ。Web予約・問診、自動精算機、検査会社などと連携し、iPadでの手書き記録にも対応する。

編集部スコア順(2026年10月10日時点)。当てはまる53本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる53本をすべて見る

ほかの製品も含めて比べるときは電子カルテの比較を、無床診療所向けの情報は無床診療所向けのページを、開業と同時に入れる場合は開業準備中の方向けのページを見てください。

よくある質問

標準型電子カルテは無料で使えますか

2026年10月時点で、導入版の利用料金は公表されていません。令和9年度の概算要求では、医科診療所が導入版を入れるときの機器の購入・設置の経費を支援するとされ、事業の補助率は「定率(上限あり)」と書かれていますが、具体的な補助率と上限額は公表されていません。

有床診療所や病院は導入版を使えますか

厚生労働省の資料では、導入版は医科の無床診療所向けとされています。普及計画の整理では、紙カルテを使い続けたい場合の導入版は「診療所限定」とされています。

導入版を入れれば紙カルテをやめなくてよいですか

導入版は、診療録は紙カルテに書いたまま、医療DXの機能だけを使う形として説明されています。紙カルテから電子カルテに移りたい診療所には、認証されたクラウドネイティブ型の電子カルテ製品の普及支援が別に用意される予定です。

出典

  1. 厚生労働省「電子カルテ普及計画」(2026年9月9日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001748251.pdf
  2. 厚生労働省「医療情報化推進方針」(令和8年厚生労働省告示第370号)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001756943.pdf
  3. デジタル庁「調達仕様書 令和8年度 標準型電子カルテ導入版の設計・開発業務」(2026年2月)
    https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/24d6cfea-9b50-4510-9365-64b29f9d5796/8edccaa3/20260306_procurement_public_notice_outline_02.pdf
  4. デジタル庁「標準型電子カルテα版の開発(令和5年度補正予算 12.9億円)」
    https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9ad8c7e9-828d-40e9-833b-f9af1cf2de6a/d4920dba/202312226_policies_health_outline_04.pdf
  5. 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービスに関する検討事項について(第35回 医療等情報利活用ワーキンググループ 資料1)」(2026年9月10日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001748289.pdf
  6. 厚生労働省「医療DXについて」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/iryoudx.html

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月10日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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