更新情報10/11(日)

電子カルテの補助金2027|クリニックは認証製品1/2補助・パッケージ版・導入版の予定(令和9年度概算要求)【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

電子カルテ本体を入れるための国の補助金は、2026年10月時点では令和9年度(2027年度)の概算要求の段階で、交付要綱も上限額もまだ出ていません。厚生労働省の概算要求では、認証されたクラウドネイティブ型電子カルテの導入費とデータ移行費をそれぞれ1/2補助(上限あり)する事業に336億円、パッケージ版電子カルテの導入支援に121億円、医科診療所向けの標準型電子カルテ・導入版の開発・普及に93億円を求めています。要求額には、補助だけでなく認証の審査やアプリの保守・運用などの委託の費用も含まれます。いずれも、今後の予算編成や国会審議で変わり得る内容です。

令和9年度に予定されている3つの補助

令和9年度の概算要求には、電子カルテの導入を補助する事業が3つあります。

事業事業全体の要求額医療機関への補助の中身補助率・補助額
クラウドネイティブ型電子カルテの普及336億円認証されたクラウドネイティブ型製品の導入費/オンプレ型から認証製品へのデータ移行費1/2(上限あり)
パッケージ版電子カルテ導入支援121億円国が指定する「パッケージ版製品」の導入費製品の対象医療機関の規模ごとに設定
標準型電子カルテ・導入版の開発・普及93億円(うちデジタル庁計上43億円。アプリの保守・運用や病院版ツールの開発なども含む)医科診療所が導入版を入れるときの機器購入・設置経費定率(上限あり)
数字令和9年度概算要求の事業全体の額(厚生労働省)
  • 336億円認証製品の普及認証・導入・移行の支援
  • 121億円パッケージ版補助額は規模ごと
  • 93億円導入版の開発・普及機器の補助も含む

「上限あり」とされていますが、上限の金額は概算要求の資料には書かれていません。実施主体は厚生労働省で、DX審査支払機構(医療情報基盤・診療報酬審査支払機構)や民間事業者など(導入版はアプリ提供事業者など)に一部の事務を委託して行うとされています。

補助の対象になる製品の条件

補助の対象は、国の基準を満たした製品に限られる予定です。

  • 認証製品: 標準仕様に準拠し、厚生労働省の認証を受けたクラウドネイティブ型電子カルテ。医療情報化推進方針は、政府の医療DXのサービスへの接続などを要件にした認証制度を2026年度中に作るとしています
  • パッケージ版製品: 電子カルテ情報共有サービスなどの政府の医療DXのサービスに対応し、必要なサイバーセキュリティ対策を備え、ノンカスタマイズであることなどの要件を満たす製品を、国が指定します
  • 導入版: 国が開発する標準型電子カルテ・導入版。紙カルテを使い続けたい医科診療所向けです(標準型電子カルテ(導入版)の記事)

第11回 電子処方箋等検討ワーキンググループの資料(令和8年9月29日)では、認証製品とパッケージ版製品のどちらも、電子処方箋管理サービスへの接続機能を要件とする予定とされています。認証の要件案と各製品の対応状況は /ninsho にまとめています。

比較診療所が使える予定の補助(令和9年度概算要求)

認証製品

クラウドネイティブ型

  • 導入費を1/2補助(上限あり)
  • データ移行費も1/2補助
  • 未導入・入れ替えの両方

パッケージ版

国が指定する製品

  • 補助額は規模ごと
  • 主に電子カルテの更新時
  • ノンカスタマイズが要件

導入版

国のアプリ

  • 機器の経費を定率で補助
  • 医科診療所向け
  • 紙カルテと併用

いつから申請できるのか

申請の時期はまだ決まっていません。電子カルテ普及計画(2026年9月9日)の想定は次のとおりです。

手順認証製品の補助までの流れ(電子カルテ普及計画の想定)
  1. 認証制度を作る2026年度
  2. 認証の審査令和8年度冬頃を想定
  3. 認証期間が始まる2027年度早期から
  4. 認証製品の導入を支援2027年度から(概要)

普及計画の概要では、2027年度から認証された電子カルテ製品の導入を支援するとしています。予算が成立したあとに交付要綱や申請の受付が公表される流れになるため、2026年10月11日時点で申請の方法・期間は分かっていません。

いま使える補助

電子カルテ本体の国の補助が始まる前でも、使える補助があります。

補助診療所の扱い2026年10月時点の状況
電子処方箋の導入補助(医療情報化支援基金)上限27.1万円(院外処方機能=基本機能+追加機能)/35.9万円(院内処方機能も入れる場合)。事業額の54.2万円(71.7万円)を上限に、その1/2医療機関の導入期限は令和9年3月まで延長
デジタル化・AI導入補助金2026医療法人は常時使用する従業員300人以下が対象(個人の診療所の扱いは記事で説明)公募の回ごとに締切あり
東京都 診療所診療情報デジタル推進事業4床以下の診療所の基準額3,000千円・補助率3/4令和8年度の提出期限(5月29日・8月31日)は過ぎている

電子処方箋の補助は 電子処方箋の補助金の記事、デジタル化・AI導入補助金は デジタル化・AI導入補助金の記事 で詳しく説明しています。東京都の事業は、国や地方公共団体の他の補助金を充てる場合は対象外です。

電子処方箋の補助について、ワーキンググループの資料は、令和9年4月以降の扱いを「電子カルテと電子処方箋の一体的な導入に係る補助の内容を改めて検討する」としています。医療機関には、令和9年度の認証製品・パッケージ版製品の導入支援も考えたうえで、電子カルテの導入・更新の計画を検討するよう周知するとしています。

入れ替えや導入を考えている診療所が確かめること

  • いまの電子カルテの契約・保守の期限と、令和9年度以降まで待てるか
  • 候補の製品が、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスへの対応を公式に書いているか
  • 候補の製品の提供会社が、認証の申請やパッケージ版製品の登録を予定しているか(要綱が出てから確かめる)
  • いま使える補助(電子処方箋・デジタル化・AI導入補助金・都道府県の補助)と、国の新しい補助を同じ費用に重ねて使えるか

製品の比較は 電子カルテの比較 と クラウド型電子カルテの一覧 で、開業準備中の方は 開業準備のページ で見られます。

  1. 1

    MAPs for CLINIC4.5/5

    株式会社EMシステムズ・電子カルテ

    ¥20,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋整形外科・耳鼻咽喉科・小児科ほか2

    レセコン機能を一体で持つ診療所向けのクラウド電子カルテで、ORCAとの連携も選べる。初期ライセンスは無料の月額制で、Web予約・問診やレセプトチェックの機能を含む。

  2. 2

    Medicom クラウドカルテ4.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    ¥24,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    ウィーメックスのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。Basicプランは初期費用と月額を公式に示しており、Premiumプランは見積りとなる。

  3. 3

    エムスリーデジカル4.5/5

    エムスリーデジカル株式会社・電子カルテ

    ¥11,800〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋

    クラウド型の電子カルテで、レセコン一体型プランとORCA連動型プランから選べる。ブラウザで動作し、電子処方箋に対応している。

  4. 4

    CLIUS(クリアス)4.0/5

    株式会社DONUTS・電子カルテ

    ¥12,000〜/月無料で試せるクラウド電子処方箋小児科・在宅医療

    DONUTSのクリニック向けクラウド型電子カルテで、レセコンにはWEB ORCAを使う。導入作業込みの通常プランと、自分で設定するDirectプランがあり、歯科・鍼灸院・接骨院は対象外。

  5. 5

    CLINICSカルテ3.5/5

    株式会社メドレー・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド電子処方箋

    自社開発のレセプト機能と一体になった診療所向けのクラウド電子カルテ。Web予約・問診、自動精算機、検査会社などと連携し、iPadでの手書き記録にも対応する。

編集部スコア順(2026年10月11日時点)。当てはまる29本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

当てはまる29本をすべて見る

よくある質問

電子カルテの補助金は2026年度中に使えますか

2026年10月時点で、電子カルテ本体を入れるための国の新しい補助は令和9年度の概算要求の段階で、まだ制度はできていません。電子処方箋の導入補助や、デジタル化・AI導入補助金など、目的の違う補助は使える場合があります。

認証されていない電子カルテは補助の対象になりますか

概算要求の資料では、クラウドネイティブ型の補助は認証された製品、パッケージ版の補助は国が指定する製品が対象です。それ以外の製品が対象になるかは、交付要綱が出るまで分かりません。

補助の上限額はいくらですか

概算要求の資料では「1/2(上限あり)」「定率(上限あり)」「対象医療機関規模ごとに設定」とだけ書かれ、金額は公表されていません。交付要綱で確かめてください。

補助を待つ間に電子カルテを入れ替えてもよいですか

判断は診療所ごとの契約や機器の状況によります。厚生労働省は、令和9年度の認証製品・パッケージ版製品の導入支援も考えたうえで、電子カルテの導入・更新の計画を検討するよう周知するとしています。

出典

  1. 厚生労働省「令和9年度 予算概算要求の概要(医療DXの推進)」
    https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/27syokan/dl/gaiyo-15-2.pdf
  2. 厚生労働省「電子カルテ普及計画」(2026年9月9日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001748251.pdf
  3. 厚生労働省「第11回 電子処方箋等検討ワーキンググループ 資料1」(令和8年9月29日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001753149.pdf
  4. 厚生労働省「医療情報化推進方針」(令和8年厚生労働省告示第370号)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001756943.pdf
  5. 独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」
    https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
  6. 東京都保健医療局「令和8年度 診療所診療情報デジタル推進事業」
    https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/h_gaiyou/clinic_digital_suishin

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月11日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

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