更新情報10/13(火)

医療DXの補助金はどこで申請する|医療機関等向け総合ポータルと申請先の違い【2026年】

クリニックツールナビ編集部公開

要点

国の医療DXの補助(電子処方箋・オンライン資格確認など)は、DX審査支払機構(医療情報基盤・診療報酬審査支払機構。旧 社会保険診療報酬支払基金)が運営する医療情報化支援基金(ICT基金)などから出ており、オンライン資格確認と電子処方箋の補助の申請方法は「医療機関等向け総合ポータルサイト」で案内されています。2026年10月時点で診療所が使える代表的なものは電子処方箋の導入補助で、上限は27.1万円(院外処方機能)・35.9万円(院内処方機能も入れる場合)、補助率は1/2です。東京都の電子カルテの補助は原則jGrants、デジタル化・AI導入補助金は事務局へIT導入支援事業者と共同で申請と、申請先が分かれています。

国の医療DXの補助を出しているところ

電子処方箋やオンライン資格確認などの国の補助は、DX審査支払機構が運営する基金・補助金から出ています。DX審査支払機構(当時は社会保険診療報酬支払基金)は「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」にもとづいて令和元年度に医療情報化支援基金(ICT基金)を作り、令和5年度以降は社会保障・税番号制度システム整備費等補助金や地域診療情報連携推進費補助金も受け入れて、支援の業務を広げています。DX審査支払機構そのものについてはDX審査支払機構の記事で説明しています。

支援の業務(DX審査支払機構の案内)対象
① オンライン資格確認の導入のシステム整備保険医療機関・薬局、訪問看護ステーションなど
② 電子カルテ情報の標準化(電子カルテ情報標準規格準拠対応機能の導入)病院
③ 電子処方箋管理サービスの導入(新機能の同時導入を含む)保険医療機関・薬局
④ 訪問診療・オンライン診療などのオンライン資格確認(用途拡大)の導入保険医療機関・薬局、健診実施機関、柔整あはき施術所など
⑤ 医療扶助のオンライン資格確認の導入保険医療機関・薬局
⑥ マイナ保険証の利用勧奨の協力金訪問看護ステーション・柔整あはき施術所
⑦ 診察券・医療費助成の受給者証とマイナンバーカードの一体化保険医療機関・薬局
⑧ 電子処方箋の導入後の新機能(院内処方・リフィル処方箋など)の追加導入保険医療機関・薬局

DX審査支払機構の案内では、②の電子カルテ情報の標準化の補助の対象は病院です。厚生労働省の令和9年度の概算要求には、医科診療所向けの電子カルテの普及支援や、電子カルテ情報共有サービス等への接続支援が盛り込まれています(電子カルテ情報共有サービスの記事)。

医療機関の窓口は医療機関等向け総合ポータルサイト

DX審査支払機構の案内では、オンライン資格確認の導入に関する医療機関などの窓口は医療機関等向け総合ポータルサイトです。厚生労働省のオンライン資格確認のページも、導入の補助についてはこのポータルサイトを見るよう案内しています。電子処方箋の補助も、厚生労働省の電子処方箋のページが、申請方法をポータルサイトの「電子処方箋管理サービス等関係補助金の申請について」で確かめるよう案内しています。

ポータルサイトでは、オンライン資格確認の「運用開始日」も入力します。システムの導入や運用開始の準備ができたら、ポータルサイトにログインして、自施設で運用を始めた日か予定日を入れます。入力したあとは、特に手続きは要らないとされています。

電子処方箋の補助の対象の費用と申請期限は電子処方箋の補助金の記事で整理しています。申請の前に、ポータルサイトの該当する案内で最新の申請方法を確かめてください。

診療所が使える主な補助(2026年10月時点)

電子処方箋の導入補助は、第11回 電子処方箋等検討ワーキンググループの資料(令和8年9月29日)で、医療機関の補助の対象とする導入期限が令和9年3月まで延長されました。

数字電子処方箋の導入補助(診療所・令和8年10月以降の導入)
  • 27.1万円院外処方機能の上限事業額54.2万円の1/2
  • 35.9万円院内処方機能も入れる場合事業額71.7万円の1/2
  • 令和9年3月補助の対象の導入期限医療機関

令和9年4月以降の扱いは、電子カルテの普及計画などをふまえて、電子カルテと電子処方箋を一体で入れる補助の内容を改めて検討するとされています。電子カルテ本体の国の補助は令和9年度の概算要求の段階です(電子カルテの補助金2027の記事)。

マイナ保険証を読み取る機器については、厚生労働省のオンライン資格確認のページが次のように案内しています。

  • スマートフォンを読み取る汎用カードリーダーの補助は、令和8年1月31日で終わりました
  • 令和8年4月から順に発売される次期の顔認証付きカードリーダーは、本体だけでスマートフォンのマイナ保険証を読み取れるため、汎用カードリーダーは要らなくなります。厚生労働省のページは、詳しくはポータルサイトの「次期顔認証付きカードリーダーの発売開始と補助金のご案内」を見るよう案内しています

訪問診療・オンライン診療で資格確認をする仕組みは居宅同意取得型の記事で説明しています。

申請先が違う補助

医療DXに使える補助でも、国の基金以外は申請先が違います。

補助申請先記事
電子処方箋・オンライン資格確認など(国の基金・補助金)医療機関等向け総合ポータルサイト(申請方法の案内)電子処方箋の補助金
東京都の電子カルテの補助(導入費・導入前のコンサル費)原則 jGrants(補助金申請システム)東京都の電子カルテ補助金
デジタル化・AI導入補助金2026事務局(中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局)へ、IT導入支援事業者と共同で申請デジタル化・AI導入補助金
医療機関のサイバーセキュリティ対策の補助補助ごとに異なるサイバーセキュリティ補助金

東京都の補助は、国や地方公共団体のほかの補助金を充てる場合は対象外とされています。同じ費用にいくつかの補助を重ねられるかは、それぞれの要領で確かめてください。

電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスへの対応を公式に書いている電子カルテは電子カルテの比較で、開業準備中の方は開業準備のページ、無床診療所の方は無床診療所のページで見られます。

  1. 1

    クラウドカルテ blanc3.0/5

    亀田医療情報株式会社・電子カルテ

    料金は問い合わせクラウド電子処方箋情報共有サービス精神科・心療内科

    Microsoft Azure上で動くクラウド型の電子カルテで、病院向け電子カルテを長く手がけてきた会社が提供する。レセコンはORCAと連携する。

  2. 2

    BrainBox CloudⅡ2.5/5

    株式会社ユヤマ・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるクラウド情報共有サービス

    ユヤマの無床診療所向けクラウド型電子カルテで、AIを使うWEB問診(オプション)や院内データの分析機能を持つ。ブラウザで動くカルテアプリ「BrainBox Mobile Client」も用意している。

  3. 3

    BrainBoxV-Ⅳ2.5/5

    株式会社ユヤマ・電子カルテ

    料金は問い合わせオンプレミス情報共有サービス内科

    無床診療所向けのオンプレミス型電子カルテ。医薬品データベースMDbankを標準で備え、過去分を並べるレセプト表示やAIによるオーダー提案の機能を持つ。

  4. 4

    Medicom-HRf Hybrid Cloud2.5/5

    ウィーメックス株式会社・電子カルテ

    料金は問い合わせ無料で試せるハイブリッド電子処方箋情報共有サービス

    院内サーバーとクラウドを組み合わせて使う診療所向けの電子カルテで、レセコン機能を一体で備える。予約・受付・検査・精算などの機器と連携でき、訪問診療など院外からも使える。

  5. 5

    DIABRAINS1.0/5

    株式会社メディブレイン・電子カルテ

    料金は問い合わせ情報共有サービス透析

    メディブレインの透析医療機関向け電子カルテで、透析支援システムの機能を併せ持つ。ORCA連携一覧に掲載されており、公式サイトでは熊本県の医療法人などの導入事例を紹介している。

編集部スコア順(2026年10月13日時点)。当てはまる5本のうち5本を表示。スコアは機能の優劣ではなく、選ぶための公開情報がそろっているかの目安です(採点方法)。

よくある質問

医療機関等向け総合ポータルサイトでは何ができますか

厚生労働省とDX審査支払機構が、オンライン資格確認の導入などの窓口として案内しているサイトです。オンライン資格確認の運用開始日の入力もここで行い、電子処方箋の補助の申請方法もここで案内されています。補助の財源の基金は、DX審査支払機構が運営しています。

診療所は電子カルテ情報の標準化の補助を受けられますか

DX審査支払機構の案内では、電子カルテ情報の標準化(電子カルテ情報標準規格準拠対応機能の導入)の補助の対象は病院です。厚生労働省の令和9年度の概算要求には、医科診療所向けの電子カルテの普及支援や、電子カルテ情報共有サービス等への接続支援が盛り込まれています。

汎用カードリーダーの補助はまだ申請できますか

厚生労働省のオンライン資格確認のページでは、汎用カードリーダーの補助は令和8年1月31日で終わったとしています。次期の顔認証付きカードリーダーについては、ポータルサイトの「次期顔認証付きカードリーダーの発売開始と補助金のご案内」を見るよう案内しています。

電子カルテ本体を入れる国の補助はいつから申請できますか

2026年10月時点では令和9年度の概算要求の段階です。厚生労働省の資料は、具体的な内容は今後の予算編成過程や国会審議などで変わることがあるとしています。

出典

  1. 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構「医療情報化支援基金等」
    https://www.hpdx.or.jp/smph/datahealth/onlinesikaku/index.html
  2. 厚生労働省「第11回 電子処方箋等検討ワーキンググループ 資料1」(令和8年9月29日)
    https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001753149.pdf
  3. 厚生労働省「オンライン資格確認について(医療機関・施術所等、システムベンダ向け)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html
  4. 厚生労働省「電子処方箋」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
  5. 医療機関等向け総合ポータルサイト
    https://iryohokenjyoho.service-now.com/csm
  6. 東京都保健医療局「令和8年度 医療機関診療情報デジタル導入支援事業」
    https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/h_gaiyou/digital_dounyu
  7. 独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」
    https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf

制度・料金・製品の情報は変わることがあります。記事は2026年10月13日時点の公開情報にもとづきます。手続きの前に、出典の原文と自治体・提供元の最新の案内をご確認ください。誤りに気づいた方はお問い合わせからお知らせください。

関連するカテゴリ

あわせて読みたい記事

記事一覧

医療情報システムの安全管理ガイドライン第7.0版|診療所が押さえる改定点と保守委託機関編【2026年】

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版は、厚生労働省が令和8年6月29日に策定を通知した最新版で、保守委託機関編が加わって5編の構成になりました。サーバの保守を事業者にすべて委託している診療所は、概説編と保守委託機関編を守ればガイドラインを守っているとみなされます。パスワードの定期変更の削除、二要素認証の期限など、診療所に関わる改定点を整理します。

医療機関のサイバーセキュリティ対策チェックリスト(令和8年度版)|診療所が立入検査までに用意するもの【2026年】

厚生労働省の「医療機関・薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト(令和8年度版)」は、医療法第25条第1項の立入検査で確認され、令和8年度中にすべての項目で「はい」にすることが求められています。機器の台帳・連絡体制図・事業継続計画(BCP)・運用管理規程は現物を見られます。19項目それぞれで診療所が用意するもの、パスワードと二要素認証の期限、安全管理ガイドライン第7.0版のどの編を読むか、事故が起きたときの連絡先を整理します。

診療所のサイバーセキュリティ対策に使える補助金|国の確保事業は病院向け、診療所が使える枠はどこか【2026年】

国の「医療機関におけるサイバーセキュリティ確保事業」(令和9年度概算要求129億円)は補助先が病院で、診療所は入っていません。診療所が2026年10月時点で申請できるのは、デジタル化・AI導入補助金2026のセキュリティ対策推進枠(補助額5万円〜150万円・補助率1/2以内・サービス利用料最大2年分、事務局サイトに載っている直近の締切は10月30日17:00)です。東京都の令和8年度の医療機関向け事業(無床診療所の基準額3,750千円・補助率1/2)は、第2回の申請期限(9月11日)を過ぎて終了しています。

電子保存の三原則とは|真正性・見読性・保存性の根拠と電子カルテで確かめること【2026年】

電子保存の三原則は、診療録などを電子で保存するときに満たす3つの条件(見読性・真正性・保存性)です。現在の根拠は、平成17年3月31日の施行通知 第二2(3)と、厚生労働省のe-文書省令 第4条第4項です。それぞれの意味と、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版のQ&Aが示す具体的な対応を整理します。

クリニックのツール導入無料相談について